中学校における歴史教育について

  • 中学校における歴史教育の在り方について意見を述べる政治的資格を持つのは、中学生の保護者である。彼らこそ中学生の利益を公的に代理する者であり、中学校における歴史教育の在り方について最も直接的な関心を持つのは(中学生自身を除けば)彼らだからである。
  • 彼ら以外の者は、中学校の歴史教育の在り方についての議論を、彼らに任せるべきである。
  • たしかに、中学校における歴史教育の在り方は、社会全体に影響する。中学生に対して「自虐的」な歴史教育が行われれば、彼らが成人した時に「自虐的」歴史観に基づいて発言・行動しやすくなり、社会全体が「自虐的」になる可能性が高まるであろう。同様に、中学生に対して「軍国的」な歴史教育が行われれば、彼らが成人した時に「軍国的」歴史観に基づいて発言・行動しやすくなり、社会全体が「軍国的」になる可能性が高まるであろう。
  • しかし、そのような波及効果は、中学生の保護者同士が議論する際にも当然に考慮されるはずのものである。したがって、このような波及効果の存在は、部外者が議論に介入する根拠とはならない。