2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

刑法に「聖域」はない

業務上過失致死罪における「業務」とは、「社会生活上の地位に基づき反復継続して行う行為であって、生命身体に危険を生じ得るもの」一般を意味し、いかなる職業もその対象となり得る。 もっとも、かつては業務上過失致死罪には事実上の「聖域」があった。典…

中学校における歴史教育について

中学校における歴史教育の在り方について意見を述べる政治的資格を持つのは、中学生の保護者である。彼らこそ中学生の利益を公的に代理する者であり、中学校における歴史教育の在り方について最も直接的な関心を持つのは(中学生自身を除けば)彼らだからで…

中絶について

「中絶は殺人である」との原理主義的な中絶反対論の主張は、(1)胎児にも意識がある以上ヒトと等価な一個の生命であるというものと(2)胎児はヒトと等価ではないが、やがて完全なヒトとなることが見込まれる以上、ヒトと同等に扱われるべきとの主張に大…

宗教の機能

その1:宇宙の擬人化による説明 その2:社会倫理の内面からのエンフォースメント その3:真偽不明な命題を真だと信じることによる、プラスの心理効果 現代社会において、1は科学が、2は法と教育(国家)が代替する。 現代社会における宗教の唯一の意義…

善悪二神論の論理的優位性

善悪二神論*1は、神義論*2の問題を生じさせない点で、唯一神論*3よりも世界の説明として優れている。 善悪二神論は、自由意志の問題*4についてもすっきりした回答を与える。すなわち、善なる神と悪なる神の勢力の拮抗が世界に複数の選択肢を生み出し、人間は…

容姿差別論

1 容姿による区別は差別である。 容姿差別は、人種差別や男女差別、部落差別と同様、社会から消滅すべきものである。 政府は容姿差別の解消に向け、社会に積極的に介入すべきである。 2 容姿差別を、「才能」という言葉で正当化することはできない。 「才…