2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ネット右翼とネット左翼

ネット右翼とネット左翼の対立は、政治的立場の対立である以上に、思考様式の対立である。簡単に定式化するなら、ネット右翼とは、「主体」に着目して議論する人たちであり、ネット左翼とは、「理念」に着目して議論する人たちである。 ネット右翼の関心は、…

天皇とエンペラー

明治維新から一貫して、天皇の英訳はEmperorである。しかし、この訳語はもはや時代錯誤であり、外国人に誤解を与えるものであるから、早急に改めるべきである。 19世紀末の国際情勢に照らせば、政府が天皇をEmperorと訳したことには合理性があった。当時は…

民法典(債権法)不要論

近時、民法典(債権法)の改正が議論されている。しかし、私見では、債権法の実定法による固定化はそもそも不要であり、かつ有害である。 債権法の一般的ルールは、コモンロー的な判例の蓄積により、徐々に、かつ柔軟に、形成・変更されることが望ましい。他…

ロボトミー

ロボトミー手術により数万人の人格を破壊した日本の精神科医たちは、結局、現在に至るまで、何の責任もとっていない。 「当時の精神医学の知見に照らせば、正しい治療だった」との言い草は、何の弁明にもならない。当時の精神医学会が総体として間違っていた…

死刑存廃論で見落としがちなこと

「死刑を廃止して死刑囚を何十年も無期懲役にすると、財政負担が増える」という意見があるが、この場合想定されているのは大抵の場合、懲役の平均費用である。 しかしこの場合問題にすべきは、懲役の平均費用ではなく、限界費用である。 法務省のホームペー…